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死刑制度についての8人の話 - 存在の耐えられない鈍さ

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死刑制度についての8人の話 - 存在の耐えられない鈍さ
http://d.hatena.ne.jp/platon427/20090428/1240918201

 定期購読している『通販生活』が届いた。ちなみにモノは1回も買ったことないけど、読み物がおもしろい。原発問題、自然エネルギーについての記事もある。

 死刑制度についての連載は考えさせられる。

・鳩山邦夫(総務大臣、元法務大臣)・・・「賛成」人を殺したら、自分の命で償う。勧善懲悪の徹底こそが犯罪を抑止する。

・亀井静香(国民新党代表代行)・・・「反対」冤罪を防ぐことは不可能だから、取りかえしのつかない死刑制度を廃止し、終身刑を創設すべき。

・土本武司(元最高検察庁検事)・・・「賛成」→「廃止?」是非は時代によって変わる。賛成が8割を超える国民感情を重く受け止めなければならない。

・坂本敏夫(ノンフィクション作家、元刑務官)・・・「賛成」→「恩赦もあり」罪と向き合うために死刑は必要。ただし執行は極力せずに回心したら恩赦も検討すべき。

・山上晧(精神科医、NPO法人「全国被害者支援ネットワーク」理事長)・・・「賛成」→「被害者ケアを重視」死刑廃止を急ぐ必要はない。むしろ犯罪被害者を支援する体制づくりが急務。

・原田正治(犯罪被害者遺族)・・・「反対」罰するだけでは何も解決しない。加害者との対話から、被害者が求める「償い」が生まれる場合もある。

・郷田マモラ(漫画家)・・・「賛成」誰もが納得する結論を出せないなら、被害を受けた側の意見を尊重して死刑制度は存置すべき。

・森達也(映画監督、作家)・・・「反対」償いなどできないから、人は人を殺してはいけないし、人を殺したことを理由に人を殺してはならない。

 みんなそれぞれの立場から、頷けるような主張をしているけれど、中でもやはり、実の弟を保険金殺人で失った原田氏の意見が目から鱗だった。当事者でない人はやっぱり「想像」でしか感じられない。当たり前のことだけど。自分が持っている感覚を総動員して、感情移入をした結果でしかない。もちろん、想像しないよりはずっといい。だけど想像は想像でしかない。遺族によっては、犯人を「絶対に死刑にしてほしい」と思う人がいるのは確かだけど、それで何もかも終わった、とスッキリするとは限らない。遺族にとっては、感じる対象である「自分」が死ぬまで苦しみは続く。じゃあ、どうしたらいいんだろう。死刑になってもずっと苦しい、死刑にならなくてもずっと苦しい。そこに、もしかしたら光を与えるかもしれないのが原田氏のいう加害者との対話だ。もちろん、そんなこと絶対にできない!っていう人のほうが多いだろうけど、彼ははそれによって救われたのだと思う。死刑が確定しそうな加害者との面会で何かが変わった。原田氏は加害者を死刑にしないでほしいという上申書を裁判所に提出する。

 遺族は、生涯癒されることはないが、ほんのわずかな救い、はやはり不可能と思われる「許し」、にしかないのかもしれない、と思った。松本サリン事件の河野義行さんのことを思い出した。


死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う

作者: 森達也
出版社/メーカー: 朝日出版社
発売日: 2008/01/10
メディア: 単行本

 森達也が死刑についての本を書いている。死刑の実際というものを私たちはほとんど知らない。私は↑この本を読んで、今まで考えていたことは、本当は何も考えていなかったに等しいと感じた。

 死に直面したからこそ、見えてくる何かがある、っていうのは本当だろうなと思う。でも、人が人を殺したからといってやはり同じように罰として人が人を殺すというのはどうなんだろう?その、殺した人は仕事だから罪にならないんだよな。けど、殺人犯が人を殺したように、その殺人犯を人が殺すということが「善いことなのか」よくわからなくなる。遺族に代わって国家による報復、なんだろうな。うーん、やっぱわからないや。人はいつか絶対に死ぬ。どういう人間だって絶対死ぬ。その死に方は様々だ。生きてる期間の長さも様々。なら、どんな死に方だって同じかといったらそうじゃない。そうじゃないのは、生きてる人間が決めることなんだけどさ。だって死んだ人は自分の死を体験できないんだから。悲しむのはいつも残された人だものね。「こんな死に方をしてかわいそう」っていうのは厳密には「こんな死に方をされて残されたわたし、かわいそう」なんだよなぁ・・・。ああーん、もう。


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