裁判員に選択の幅 「終身刑」議連創設の狙いは 加藤紘一会長に聞く
裁判員に選択の幅 「終身刑」議連創設の狙いは 加藤紘一会長に聞く
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2008年5月17日 02:43 カテゴリー:政治
15日に発足した議員連盟「量刑制度を考える超党派の会」の加藤紘一会長(自民党元幹事長)が16日、西日本新聞のインタビューに応じた。死刑と無期懲役との量刑ギャップを埋める「終身刑」創設を念頭に置いた同議連の狙いや今後の見通しを聞いた。 (東京報道部・相本康一)
■前例主義に冤罪ないか
‐議連発足の経緯は。
「(死刑制度廃止議員連盟の)亀井静香氏(国民新党)らと議論し、まずはギャップを解消するために終身刑創設を目指すことにした。4月下旬から党内に声をかけ始めたところ、打てば響くように3日間で十数人が発起人となってくれた」
‐15日の初会合には代理を含め100人が出席した。有力議員も多い。
「理由の7割は裁判員制度への懸念。山口県光市の母子殺害事件も念頭にあったと思う。有罪か無罪かだけを決める諸外国と違い、日本の裁判員制度は量刑まで決める。国民の気持ちに合わせ、選択肢の幅を広げないといけないと、みんな考えていた。死刑廃止は賛成できないという議員も多い。死刑存廃は議論しないのがポイントだ」
‐自身は死刑廃止の立場だが。
「日本は有罪率99.9%だが、無実の人もいるのではないか。それと大学時代に刑法の教授だった団藤重光氏の存在がある。最高裁判事時代、死刑判決を確定させた際に傍聴席から『人殺し』と叫ばれた経験から、彼は『裁判員制度を導入するなら死刑は廃止せよ』と主張している。人が人の命を裁けるのか、と」
‐世論の8割以上は死刑を容認している。
「選挙区に帰ったら『なぜ死刑廃止なのか』と言われる。現実的に廃止は難しい。突然駅のホームから人を突き飛ばすような事件をみれば、厳罰化の気持ちにもなる」
「ただ(鳩山邦夫法相発言のように)ベルトコンベヤーのように執行しちゃいけない。アウシュビッツじゃあるまいし」
‐議論の見通しは。
「7割方は終身刑創設の流れだ。関連法案が40近くある。夏休み中に役人に準備してもらい、秋の臨時国会をにらみ、臓器移植法のように党議拘束なしの超党派による議員立法でいきたい」
「日本社会の『権威』は次々とつぶれてきた。自民党保守政治、中央官庁、マスコミもしかり。残されたのはマーケットメカニズムと司法。検察は国策捜査だとか批判されている一方、裁判官の前例にとらわれた機械的な判断に冤罪(えんざい)が潜んでいるのではないか。刑事司法をめぐる議論に一石を投じられればいい」
‐法務省は慎重だ。
「私には何も言ってこない。亀井氏が『おい法務省、われわれの動きをつぶすために省を挙げて根回ししたら許さんぞ』とくぎを刺している」
「衆院法務委の与野党理事は全員参加している。国会は機能してないので議連が審議する。たぶんうまくいくと思う」
=2008/05/17付 西日本新聞朝刊=


