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95人の死刑囚の最期を看取った聖職者に迫るドキュメンタリーとは?

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95人の死刑囚の最期を看取った聖職者に迫るドキュメンタリーとは?

http://cinematoday.jp/page/N0013929

スティーヴ・ジェームズ(右)とピーター・ギルバート - 写真:Nobuhiro Hosoki


 [シネマトゥデイ映画ニュース] 記録的大ヒットを記録したドキュメンタリー映画『フープ・ドリームス』で監督を務めたスティーヴ・ジェームズとプロデューサー兼撮影監督だったピーター・ギルバートが、新たなドキュメンタリー作品について話をしてくれた。

 彼らが再びコンビを組んで共同監督した映画『アット・ザ・デス・ハウス・ドア』(原題)。本作は1982年から1995年までの間、テキサス州のハンツビル刑務所の監房牧師として死刑囚95人の最期をみとった聖職者キャロル・ピケットに焦点を当て、人間の尊厳とテキサス州の死刑制度に鋭く切り込んでいく。

 物語はキャロルが記録用として、死刑囚たちの死刑台に立つ直前の声を録音していたオーディオ・テープから始まった。そのテープの中には、今でも彼の心を揺さぶる人物の声が録音されている。それは冤罪(えんざい)にもかかわらず死刑判決を受けてしまったカルロス・デルーナ死刑囚の声だ。

 再びタッグを組んだことについてピーター監督は「一番の理由は単に彼とまた仕事がしたかった。ただそれだけだった。ただ今回は『フープ・ドリームス』とは違い、2人で作品をプロデュースし、監督も共同でしているんだ。撮影中はやりやすかったよ。何せ、お互いが同じ手法で製作しているからね。しかもスティーヴ監督はインタビューに優れているし、死刑というテーマについては撮影に入る前からお互いかなりの予備知識があった。だから自然な形で製作に入っていったといえるだろうね」と答えた。

 死刑をテーマにしたドキュメンタリーやドラマは過去に何本も制作されている。本作を製作しようと思ったきっかけはなんだったのか? 「新聞社のシカゴ・トリビューンがわれわれに接触してきたとき、彼らはカルロス死刑囚の調査をしていて、カルロスはどうやら無実らしいということだった。確かに興味のある話ではあったが、その題材だけでは、これまでにあったほかの映画が撮影してきた内容と何ら変わらないものだと感じていたんだ。そんなときに、彼らの口からキャロルの話題が上がった。95人の死刑囚に立ち会い、初めて実施された薬物注射の処刑にもかかわっていたことや、オーディオ・テープに記録していたことを知ったんだ。もちろんそんな話は初耳で、それが今回のテーマに挑戦してみようと思ったきっかけなんだ」とスティーヴ監督が語ってくれた。

 劇中ではさまざまな問題提起をしており、観客に答えを与えるのではなく、提起することによって作品の意図や深いテーマが理解できるような作りになっている。スティーヴ監督は「われわれが考える語り部の定義は、当事者であること。実際にその体験をした人々だけだと思っているんだ。囚人や死刑囚の家族、そして聖職者のキャロルのような人物だけが、死刑が与える影響を語ることができると考えている。だからわれわれは事前に展開を組み立てるなんてことはしないんだ。本作はキャロルを中心に置いて、自然な流れで伝えられたストーリーなんだよ」と述べてくれた。

 撮影期間は2年間、彼らのこれまでのドキュメンタリー作品の撮影期間から比べると短いかもしれないが、魂揺さぶる力作であることは間違いない。(取材・文:細木信宏)

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