「死刑確定後も上訴制度を」日本に求める
「死刑確定後も上訴制度を」日本に求める
http://www.news.janjan.jp/living/0804/0804165074/1.php
黒井孝明2008/04/17
国連拷問禁止委員会で中心的な役割を果たしたメネンデス氏が東京で講演し、死刑制度を即時撤廃するよう求めるとともに、日本の代用監獄は捜査と拘禁を分離されていない点で問題だと指摘した。
拷問禁止条約に関する対日審査を2007年5月に実施した国連拷問禁止委員会で中心的な役割を果たしたフェルナンド・マリーニョ・メネンデス氏が来日し、11日、東京の弁護士会館で講演した。同氏は日本における代用監獄の問題に触れたほか、拷問のおそれのある国への外国人送還を禁止する明文規定がないことに懸念をあらわした。
メネンデス氏は日本で警察の留置場を代用監獄として使っていることについて、被疑者が起訴されるまで長期間拘束されることなどを問題とした。捜査と拘禁を分離することの必要性を強調した。また、難民に対する門戸が狭い日本には、難民認定を独立で取り扱う機関がないことを指摘した。
死刑制度について、同氏は日本は即時撤廃するよう求めた。具体的な問題点として、死刑事件が確定した後の上訴制度がない点や、再審手続きや恩赦の申請が死刑執行停止にあたらないこと、過去30年間で死刑が減刑されていないことなどをあげ、死刑執行の即時停止と減刑のための措置が必要であると主張。また「日本では死刑執行のとき、事前に囚人の家族に日時などを知らせたりしない。それは非人道的だ」と話し、事前に家族へ知らせるほうが人道的と考えるという。
米誌「ニューズウィーク」4月16日号(日本版)は、「増える死刑廃止国のまやかし」と題した記事を掲載。死刑制度が発展途上国にとって開発援助や経済協力を得るための取り引きカードと化している現状を指摘している。「(死刑を存置する)アメリカ、日本、インドの3国は、いずれも積極的に現行の制度を見直す気配はない。理由の一つは、死刑を廃止しても国際社会から大した見返りは得られそうにないからだ」(同誌)
1984年の国連総会で採択された拷問禁止条約(拷問及び他の残虐な、非人道的な又は品位を傷つける取り扱い又は、刑罰に関する条約)には、日本は1999年に加入した。6年後の2005年12月、日本は同条約の運用状況に関する報告書を提出した。
国連拷問禁止委員会は日本報告書を受けて審査を実施。2007年5月に日本に対し、拷問の定義、同条約の国内適用、拷問・虐待の時効、難民、代用監獄、死刑制度、取り調べのあり方など広範囲にわたる課題について懸念を示した勧告を出した。
こういった経緯の一方、同委員会が日本の動きのなかで歓迎した点は、報告書審査にあたって日本政府とNGOが連携したこと、「出入国管理・難民認定法」と「刑事収容施設・被収容者処遇法」が相次いで改正されたこと、などだった。
ただ、この勧告には法的拘束力はない。日本の司法関係者の大勢は勧告が裁判所で活用されることに懐疑的だ。日本政府が同委員会への第1回報告書を、提出期限だった2000年7月から5年も過ぎてから提出したというのも、この勧告の性格を裏付けるとともに、勧告に対する日本の姿勢を示している。
日本政府は追加報告書を同委員会から求められている。勧告から1年以内とされている追加報告書の提出期限は今年5月に迫っている。


