袴田事件:再審棄却 「新証拠無視された」 死刑囚案じ不安と落胆
袴田事件:再審棄却 「新証拠無視された」 死刑囚案じ不安と落胆
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20080326ddlk22010053000c.html
◇弁護団や支援者、第2次請求へ
66年に旧清水市で起きた袴田事件で、最高裁は25日、袴田巌死刑囚(72)の再審請求の特別抗告を退けた。逮捕から42年、請求から27年が経過したが、再審への扉は開かなかった。弁護団や支援者は袴田死刑囚の健康状態や死刑執行への不安から落胆の色を隠さないが、「今回の決定で再審への道が狭まったとは思わない」と第2次請求へ向け、早急に準備を進める考えだ。【浜中慎哉、望月和美】
◇姉「元気でがんばれ」
25日午後、県庁で会見した袴田死刑囚の姉秀子さん(75)は、死刑囚への言葉を問われ「元気でがんばれと言うしかない」と涙を浮かべた。弁護団の事務局長、小川秀世弁護士も「27年間の再審請求をこのような形で終えるのは残念。出してきた新証拠も裁判所の決定に反映されていない」とため息をついた。
秀子さんは同日昼過ぎ、浜松市中区の弁護士事務所で支援者からの電話で決定を知った。落胆は大きかったが、「まだ第2次請求がある」と自分に言い聞かせ、会見でも気丈に語った。
関係者が心配するのは、袴田死刑囚の心身状態だ。80年の死刑判決確定以降、死刑囚は精神的に不安定で、昨年11月以降は面会の許可が下りていない。また昨年秀子さんが果物を差し入れようとした時には、東京拘置所に糖尿病との理由で拒否された。
島田事件で死刑判決が確定後、再審無罪を勝ち取った赤堀政夫さん(78)は、「袴田さんは病気なので一時保釈し(拘置所外の)病院で加療すべきだ」と指摘する。その上で「棄却はひどい。何を審理してきたのか。冤罪(えんざい)は司法の犯罪で断じて許すことはできない」と怒りをあらわにした。
これまで秀子さんらを支えてきた地元の支援組織「袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会」の山崎俊樹事務局長は「再審決定が出るのではと期待していた。残念としか言いようがない。最高裁に新証拠を無視された思いだ」と話した。
また、これまで再審請求の要請行動などにも参加してきた日本プロボクシング協会袴田支援委員会の大橋秀行委員長は「今後も支援を続けていくことに変わりないので、何ができるのか協議して決めていきたい」と思いを新たにしていた。
一方、静岡県警は「最高裁の決定なので、コメントする立場にない」としている。
毎日新聞 2008年3月26日 地方版


