死刑廃止論 団藤 重光 (著)
死刑廃止論 団藤 重光 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
わが国における死刑廃止運動の精神的支柱となっている名著。オウム事件などが突発して、死刑存置論が巻きかえしているなか、「今こそ死刑廃止を―人道的刑事政策の要望」を高らかにかかげた。全編に増補の筆を加えて、今までの3部構成から5部構成に拡大強化した第五版は、「決定版」ともいえる。
内容(「MARC」データベースより)
オウム事件などが突発して、死刑存続論が巻きかえしているなか、「今こそ死刑廃止を-人道的刑事政策の展望」をかかげた、我が国における死刑廃止運動の精神的支柱となっている書。全編に増補した決定版。
なぜ死刑はいけないの?, 2006/7/10
By 渡邉輝 (東京都) - レビューをすべて見る
ここ最近、被害者の家族が被告に対して
死刑を望んでいるというニュースが立て続けに2つ報道された。
事件発生自体はあ2つとも数年前だ。
事件発生当時のニュースの記憶はなく、今回の裁判判決の報道で
事件のあらましと、裁判履歴を知った。
片方は、妻と幼い娘が殺されてしまった事件。
旦那の不在時に自宅に押し入られ、
妻は強姦された挙句に殺され、
まだ赤ん坊の娘も床に叩きつけられ殺されてしまった。
もう片方は、6,7歳の少女が
強姦され、殺されてしまった事件。
事件の概要だけでも聞けば、
被害者の家族の心の痛みは、
筆舌尽くしがたく、
この世の苦しみの最上級レベルを極めているだろうと思う。
両裁判とも、原告は被告に対し強く死刑を望んでいたが、
無期懲役の判決が言い渡された。
上告をし、まだ裁判を続けるとのことだが、
もう事件発生から7~8年経っていることを考えると、
とてもやりきれない思いがこみ上げてくる。
これだけ虐げられてきた被害者見ると、
被告に対して死刑が執行されるのが然るべき処罰だというのが人情で、
それが一般世論として定着しつつあるように感じる。
殺されたから、殺し返すことでしかその罪を償えない。
そんな声が聞こえた気がした。
それに違和感を覚えて本書を手に取った。
法律・裁判が守るべきものは何か、
被害者の心の痛みをどう考えるか、
人間の命の尊さとはどういうことか、
そういうことを考えてみたくなったら、ぜひこの本を読んでみてください。
死刑の歴史的遷移や、世界各国の死刑に対する考え方も広く取り上げていて、
自分自身の哲学を深めるためにもお薦めの一冊です。


