死と生きる―獄中哲学対話 池田 晶子 (著), 陸田 真志 (著)
死と生きる―獄中哲学対話 池田 晶子 (著), 陸田 真志 (著)
内容(「BOOK」データベースより)
生きるべきか、死ぬべきか。殺人犯と哲学者。「善く生きる」ために…息詰まる言葉(ロゴス)の劇(ドラマ)。
内容(「MARC」データベースより)
この世で「善く生きる」とは? 息詰まる言葉のドラマが始まった。死刑判決を受けたSMクラブ経営者殺人犯人と気鋭の女性哲学者による、懊悩する魂の遍歴の果てからの往復書簡。
明日死ぬならこの一冊, 2006/7/9
By 十三丁目の野良猫 - レビューをすべて見る
殺人犯・陸田真志は自分の罪の重さと死刑への恐怖から逃れようと、拘置所の中で読書に没頭する。そしてある時、池田晶子の著書を手にした事が切っ掛けとなり、ある「何か」を理解する。
「生と死」「善と悪」を巡り、哲学者と殺人犯の間で交わされる往復書簡。繰り返される極論と極論のせめぎ合いは、読む者の精神にも一定の強度を要求する。覚悟の無き読者は凄まじい拒絶反応を起こすだろう。読者が目にするのは、人の命を奪い、自らも死刑という死と直面している人間の書いた言葉である。
平易な言葉で書かれた文章でありながら、語られた言葉を目で追うだけではその本質を捉える事は難しい。読み解くためには、社会経験・知識・高度な価値観などではなく、正直さと忍耐、それから「心の柔らかさ」のような能力が要求される一冊だ。
全てのものは「在る」だけなのだ。「無い」ことは出来なかったのだ。そんな世界の同時性に「あ!」と気付いてしまった人になら読めるはず。 このレビューは参考になりましたか? (報告する)
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人類の深淵に潜む怖ろしい力に掴まれた男, 2008/2/18
By chuang-tzu "silikat" - レビューをすべて見る
書によれば、陸田氏は心理学を嫌っているのが解る。
ぜひ、この書を読む前に、心理学者の河合隼雄の『コンプレックス』を
熟読される事をお勧めしたい。(できれば『影の現象学』も合わせて)
なんという事だろう、河合隼雄が述べている、エディプス、プロメテウス、元型
といった事柄と、陸田氏の告白、行動が見事に重なってくるではないか!
つまり、陸田という男は自分でも知らないうちに、無意識の深淵に存在する力に
掴まり、それに動かされていたのだという事が理解されるであろう。
(もちろん、本人は否定するであろうが)
つまり、彼の犯罪には無意識の深淵に潜む「人類の憎悪」の力が働いていたのかもしれないのだ。
繰り返しになるが、ぜひ、この書を読む前に《だまされた》と思って、上記した河合隼雄の
本を読んでほしい。ウソツキクラブの会長でもあった河合隼雄に「やられた」と思わされる事に
なるであろう。


