極刑 死刑をめぐる一法律家の思索 スコット・トゥロー (著)
極刑 死刑をめぐる一法律家の思索 スコット・トゥロー (著)
内容(「MARC」データベースより)
「推定無罪」などで知られるリーガル・サスペンス作家であり、弁護士でもある著者が、米国イリノイ州死刑諮問委員会での経験をもとに著した、死刑制度容認から死刑廃止へと至る心の軌跡。
死刑存廃論という迷宮への招待状…, 2006/2/25
By kagekiyo - レビューをすべて見る
本書は『推定無罪』などでお馴染みの弁護士作家、
スコット・トゥローの手になる「死刑廃止論」と言えましょう。
地元イリノイ州の知事の意向を受けて設けられた有識者会議での経験を通して、
著者がいかにして死刑廃止に傾いたかの思索の軌跡が描かれています。
論点は冤罪・被害者・国家による殺人・道徳・代替刑・陪審制(順不同)など、
幅広く取り上げられており、
トゥローの思索が丁寧に展開されています。
同時に読者は、我々が常に進んでいると錯覚しがちなアメリカのシステム、
特に本書では司法制度が、
いかに多くの問題点を抱えているかを目の当たりにすることでしょう。
本書は非常に読む価値のある本ですが、
欠陥があるところは訳者も解説で触れており、
私も賛同します。
また、上手に表現できませんが、個人的に、
著者は、抽象的な正義の実現にこだわるあまり、
遺族感情など、人間のドロドロした部分への洞察が若干薄くなってしまっているように感じました。
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死刑制度とアメリカ司法を知ることが出来る本, 2006/8/9
By 清高 (仙台市) - レビューをすべて見る
この本の内容
アメリカイリノイ州死刑諮問委員会で活動したスコット・トゥロー氏(リーガルサスペンスの第一人者)が、死刑肯定から死刑廃止に至るまでの思考の軌跡を書いた本である。
この本の長所ならびに短所
1、6章から12章において、死刑制度に関する論点がほぼ出尽くしており、読者の参照に資する出来であるところ。
2、著者の心の動きが追体験できるところ(もっとも、死刑廃止論を期待している読者を裏切っているという意味で、短所ともなりうる)。
3、慎重かつ大胆な議論の展開(特に第8章「被害者」)。
4、アメリカの司法制度全般の問題点を垣間見ることが出来るところ。
結論―長所および短所2、で書いたような欠点もあるが、星を落とすほどではないし、死刑制度を冷静に論じ、かつアメリカの司法の一端を知ることが出来るいい本なので、星5つ。 このレビューは参考になりましたか? (報告する)
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死刑の現実とどうむきあうか, 2006/2/20
By かがりひらく - レビューをすべて見る
2003年、保守派のイリノイ州知事ライアンは、同州の死刑囚に一括恩赦を与えた。なぜ彼はそうしたのか?「推定無罪」などのベストセラー作家スコット・タローももともとは死刑については「是々非々」の態度だった、しかしイリノイ州死刑諮問委員会のメンバーとして討議や検討を重ねるなかで、次第に考え方が変わっていく。本書でタローが考察していく論点や主張は決してオリジナルなものではない。興味深いのは死刑賛成派であっても、現実の死刑のなされかたや、死刑囚の実態を知れば、まじめな人間ならば少なくとも躊躇をおぼえざるを得ないのではないかということが、ドキュメンタリータッチで説得的に描かれていくことだ。執行数は相対的に少ないもものの、日本は米国と並ぶ「死刑大国」である。本当に死刑は必要なのか、それを考える上でとても有益な本だ。


