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欧州連合 - EUと死刑

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欧州連合 - EUと死刑

http://www.deljpn.ec.europa.eu/union/showpage_jp_union.death_penalty.php

欧州連合は世界中で死刑制度が廃止されることを求めています

欧州連合(EU)は、世界のあらゆる国での死刑制度の廃止を目指して活動しています。この姿勢は、いかなる罪を犯したとしても、すべての人間には生来尊厳が備わっており、その人格は不可侵であるという信念に基づいています。これは、あらゆる人に当てはまることであり、あらゆる人を守るものです。有罪が決定したテロリストも、児童や警官を殺した殺人犯も、例外ではありません。暴力の連鎖を暴力で断ち切ることはできません。生命の絶対的尊重というこの基本ルールを監視する立場にある政府も、その適用を免れることはできず、ルールを遵守しなければなりません。さもないと、このルールの信頼性と正当性は損なわれてしまいます。

このように、死刑は最も基本的な人権、すなわち生命に対する権利を侵害する極めて残酷、非人道的で尊厳を冒す刑罰なのです。

人権的観点からの理由に加えて、死刑には無実の人の生命を奪ってしまう危険が内包されています。私たちの住む世界は不完全だからです。人間は間違いを犯すものです。裁判の当事者である検察官や裁判官、陪審員であっても、既決囚を赦免することのできる政治家であっても、絶対に間違いを犯さないという保証はありません。にもかかわらず、死刑はいったん執行されれば取り返しがつきません。屍を無罪とし、生還させることはできないのです。

1983年から90年にかけて、4人の日本人が冤罪により死刑判決を受け、再審の後、釈放されました。米国では過去12年間に116人の死刑囚が、累計にして1,000年を獄中で過ごした後、死刑執行を免れました。

何のために刑罰を科すのかという観点からすれば、死刑は刑罰でもなければ、明らかに再教育でもなく、復讐にすぎません。犯罪者に刑罰を科すことの目的は、その人に自らの過ちを理解させ、自責の念を育み、その人物を更生させ、最終的には社会復帰させることにあります。社会復帰がかなわない人——多くの場合、当人の精神状態のためですが——に限って社会から隔離すべきでしょう。死刑宣告では、刑罰の究極的目標が果たせないのです。

さらに、「死刑のない世界地図」で色分けされた死刑廃止国と存置国の状況を比較しても、他の刑罰に比べて死刑の犯罪抑止力が高いことは証明できません。欧州では、死刑廃止後に重大犯罪が激増したという事実はありませんでした。

死刑廃止に向けたEUの具体的な取り組み

EUの加盟国はすべて死刑を廃止しており、死刑廃止はEU加盟の条件でもあります。2002年5月以降は全加盟国が、戦時中を含むすべての状況における死刑の完全廃止を規定した欧州人権条約の第13議定書の署名国となっています。

1998年にEUは、その人権政策の一環として、全世界で死刑制度を廃止するために死刑反対運動を強化することを決定しました。EUは死刑廃止への第一歩としてモラトリアム(死刑執行停止)を導入すること、あるいは、少なくとも死刑の適用を減らすことを求めています。また、死刑が執行される場合でも、一定の最低基準を満たし、透明性のある手続きで行われることを要請しています。この目標に向かって、EUは具体的な政策指針を作成しました。

EUは、日本を含む、死刑制度をもつすべての国との対話において、この問題を取り上げています。こうした対話は、しばしば「デマルシュ」という外交的な働きかけを通じて、特にある国の死刑に関する政策に変化が見られる時に行われます。例えば、正式なあるいは事実上のモラトリアムが解除される可能性がある場合や、死刑制度が法的に導入または再導入される場合、あるいは、前向きな動きとして死刑制度廃止に向けた措置が取られた場合などです。相手国の政府が対話に応じようとしない場合には、対話を開始することも重要な目標となります。

次善の策としてEUは、死刑存置国に対し、次の最低基準を遵守するよう働きかけています。

死刑は、極めて重大で計画的な犯罪にのみ適用すること

死刑は、犯行の時点で死刑によって罰せられることが規定されていた犯罪に対してのみ適用し、より軽い刑罰が規定されていた場合には、その刑罰を適用すること

死刑は、犯行の時点で18歳未満の青少年、妊婦、出産後間もない母親、精神障害者には適用しないこと

死刑の適用には、明白で説得力のある証拠が必要であり、被告人が法的弁護を受けられる公正な裁判が行われること

死刑を宣告された者が、異議申し立ておよび減刑を求める権利を持つこと

死刑は、可能な限り最小限の苦痛を伴う方法で執行されること

EUは、国連人権委員会をはじめとする多国間のフォーラムでも積極的に活動しています。1999年に国連人権委員会は、EUの発議に基づき死刑問題に関する決議を採択しました。同決議は、市民的および政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書の批准を各国に呼びかけるものです。この選択議定書の目標は、死刑を廃止することであり、死刑がいまだ廃止されていない国においては、最も重大な犯罪にのみ死刑が適用されるよう、またその国の政府がモラトリアムを導入するよう導くことにあります。

1999年以来EUは、ジュネーブで開催される国連人権委員会のすべての会合で死刑に関する決議を提出してきました。直近の2005年3月の決議は、前回の決議より多くの賛成票を得て採択されました。この決議も、死刑存置国に対し、死刑の廃止または執行停止を求め、国連経済社会理事会が1984年に採択した「死刑に直面する者の権利の保護の保障に関する決議」を遵守するよう呼びかけています。

欧州議会もまた、長年にわたり死刑制度に反対しており、国際的な死刑反対運動に積極的に関与しています。この立場は、欧州議会の決議や人権に関する年次報告書で再確認されています。

さらに、EUは欧州民主主義・人権イニシアティブによるプロジェクト支援などを通じて、非政府組織(NGO)とも協力して活動を行っています。

死刑廃止に対するEUのコミットメントは、2000年12月のニース欧州理事会(EU首脳会議)で宣言されたEU基本権憲章でも再確認されています。EU基本権憲章には、すべての人が有する生命に対する権利と死刑の禁止が盛り込まれています。

「あらゆる人は生命に対する権利をもつ。何人も死刑を求刑され、または執行されてはならない(第II条2)。何人も、死刑、拷問又はその他の非人道的もしくは尊厳を冒すような処遇もしくは刑罰を受けるであろう重大な危険がある国へ、退去、追放または引き渡されてはならない(第II条19)」

EUから日本へのメッセージ

EUの死刑廃止政策は、特に日本と米国に向けられています。この2大民主国家は、EUと多くの価値を共有しており、通常は国内外で人権尊重に対するコミットメントを明確に主張しています。

死刑廃止の是非は、世論調査によって決めるべき問題ではありません。凶悪犯罪の発生直後とあってはなおさらのことです。死刑制度の廃止は、国家としての主義の問題です。ひとつの社会を統括する政府には、この問題に関する議論の舵取りを行う責任があります。根強い偏見に賛同したり、死刑執行にまつわる秘密主義を助長したりすべきではありません。それより1日も早く、透明性を高めるための自由な討論を開始することが求められます。日本政府は、この問題が公開の場で偏見なしに議論されるよう、イニシアティブを取るべきです。

そのような議論を可能にするために、また、日本でも無実の人に有罪判決が下されたことがある点を考慮して、EUは日本に対し、死刑廃止への第一歩として、1993年に解除された事実上のモラトリアムを再導入するよう要請します。それがかなわなければ、少なくとも、死刑執行の際に一定の最低基準を遵守するよう求めます。死刑確定者のリストから任意に選び出し、その家族にも弁護士にも事前に通知することなく、絞首刑という残酷な方法で刑を執行することは、EUが防ぎたいと考える最低基準違反の一例です。

もし、世界で最も尊重されている人権機構のひとつである欧州評議会がかねてからの警告*を実行に移し、日本のオブザーバー資格を取り消すことになれば、とても残念なことになります。欧州評議会は正しくも「現代文明社会の刑罰制度には、死刑を合法的に位置づける場所はない」との立場をとっています。EUは、日本が今一度行動を起こし、「死刑のない世界地図」に示されている、死刑制度廃止を実現した大多数の国々の仲間入りをすることを強く願っています。


■■■ 欧州評議会の議員会議は2001年6月、日本および米国が2003年1月までに死刑の執行を停止し、死刑廃止に向けた措置を取らない場合には、欧州評議会全体における両国のオブザーバー資格を問題にする旨の決議を採択した。欧州評議会のオブザーバー国で、死刑を存置しているのは日本と米国のみである。

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